MATLABは、X端末での利用をテストしていないので、正式サポートしておりません。
X経由のMATLAB実行が、ライセンス規約にて許可されない可能性がありますのでご注意ください。
もしX端末の利用でMATLABの起動や実行に問題が発生しましたら、直接Xエミュレータのソフトウェアベンダーにコンタクトを取って、追加情報やパッチを提供してもらうようにしてください。加えて、USENET ニュースグループ, comp.soft-sys.matlab に投稿することで、同じ問題に直面している他のユーザからの情報を見ることができます。
参考までに、弊社で正式にテストしておりませんが(正式なサポート環境ではありませんが)、Virtual Network Computing(VNC)であれば、MATLABが動作することが分かっておりますので、VNCはX端末よりも安定して利用できる可能性があります。異なるプラットフォーム用にフリーのVNCソフトウェアが提供されており、通常、ソースコードも公開されております。VNCは異なるプラットフォーム間で利用可能で、UNIXマシンのディスプレイ番号を個々のユーザに割り振ることが可能です。このディスプレイ番号はユーザーのPC上で見ることが可能で、ユーザーはそのディスプレイ上で、UNIXマシンのウィンドウマネージャーを起動することができます。VNCのその他の特徴として、ユーザが一度ディスプレイ番号を割り振ったならば、VNCウィンドウを閉じてから再度VNCウィンドウを開いても、利用していたコンテンツをそのままに作業を再開することが可能です。加えて、あるユーザがVNCサーバが起動している1台のUNIX上にログインしている場合、このユーザは同時に別のUNIXマシンにもリモートでログイン可能です。これは、仮想的な全ての表示可能なUNIXマシンへ、一つのVNCディスプレイからユーザのアクセスを許可しています。
X環境における、いくつかの問題点と改善案をリストします。
問題点1:
X環境で、SOUND関数が正常に動作しません。
例えば以下のコマンドがエラーとなります。
load laughter
sound(y, Fs);
144.212.8.116: Connection refused
回避方法1:
UNIXでのSOUND関数は、ワークステーションに接続しようとして、その /dev/audio のデバイスドライバを利用しようとします。もしXエミュレーションパッケージ経由でMATLABを実行している場合、/dev/audio がありませんので "Connection refused"というエラーが出ます。この場合、直接MATLABを利用する以外に回避方法はありません。
問題点2:
MATLABコマンドウィンドウはPC上で起動しますが、MATLABグラフィックスやSimulinkが起動しません。!env コマンドをMATLABで実行すると環境変数が見えますが、MATLAB起動前に TERM, DISPLAY についてPC用に設定していた情報が保持されていません。
回避方法2:
多くのXエミュレーションソフトウェア(Humming Bird, Xoftech, XView, etc.)では、利用したいプロトコルを選択するオプションがあります。MATLAB, Simulinkでは、RSHELL, REXECプロトコルを利用してください。(telnetではできません)
問題点3:
PC-XWare 2.0を利用してMALTLABを起動した場合、MATLABのロゴでフリーズします。MATLABの起動時に -debug オプションをつけて起動すると、以下の警告が確認できます。
Warning: Cannot allocate colormap entry for background...
回避方法3:
PC-Xware v2.01では改善されているようです。
問題点4:
MATLAB 6.0(R12)を、Vista Exceed v6.1.0.0 で起動すると、タイトルバーとスクロールバーが触れません。
回避方法4:
MATLABの起動時に、"matlab -nodesktop" で起動してください。
問題点5:
Exceedを利用してMATLAB 6.0(R12)をPCから起動すると、ウィンドウの[最小化]・[最大化]・[閉じる]のボタンが見つかりません。
回避方法5:
ほとんどの場合、これはJavaウィンドウがXウィンドウマネージャーで動作しないことが原因です。Exceed は、Javaが自身のウィンドウマネージャーを提供していると考えますが、存在しない場合、該当の問題が発生します。
Exceedでの回避方法はわかりませんが、Xoftwareでは単純な回避方法があるようです。(弊社では動作を確認しておりません。)
Xoftwareにて以下の方法をお試しください。
1. Xoftware Control Panelを開きます
2. [Options]の[Configuration menu item]を開きます
3. ダイアログで、[Window]タブを選択します
4. [Concurrent Window Manager]の設定を[off]にします
問題点6:
PCからExceed X-Window経由でMATLAB 6.0(R12)を起動すると、ウィンドウの境界がありません。
回避方法6:
MATLAB 6.0(R12)にてウィンドウの境界を表示するには、Exceed window manager configurationの設定変更を行います。Exceedを起動し、タスクバーの中にある"Exceed"を右クリックし、[Select Tools] -> [Configuration...]を選択します。
[exceed.cfg - Xconfig]というタイトルのウィンドウで、[Screen Definition]アイコンをクリックします。[Window Manager]の設定がありますので、[Native]に設定し、[OK]をクリックします。
